着物の仕立直しって！？KIMONOBI先生｜その２８　着物のあれこれお教えします。

Q:いつも楽しく拝見しています。
私が結婚の時に用意してもらった、訪問着。とても豪華で大好きな手描き友禅なのです。そんなに着用してないのですが、さすがに今の年代の私が着るには少し派手になりました。
娘もなく息子一人なので、結婚相手の方が着物が好きならプレゼントしたいなと考えていました。

その息子が、な、なんと外国の方と結婚することになりました。
日本が大好きすぎて、来日されたお嬢さん。今は、中学校で英語を教えてられます。
相手によっては、嫁ぎ先の母親の着物なんて嫌がられたらどうしようと心配していましたが、この方なら喜んで着ていただけそうです。この訪問着以外の手持ちの着物も、順番に譲りたいなと嬉しく思っていました。
私は、結構大柄で 166ｃｍ あります。骨太で肩幅も広く 手足も長いので、裄も平均日本人よりは長く仕立ててあります。
外国の方だと聞いたので、私より大きくても、少し直せばいいかなと軽く考えていました。

しかし、ここで大問題が！！！
先日、紹介された彼女はイギリスの方なのですが、身長は158ｃｍ。小柄ですごく細いわりに、スタイル抜群で足は長いのです。
私と彼女との体格の違いに、とても心配になってきました。

着物はいったん解いて、洗い張りなどして縫い直すことになりますよね。
10ｃｍ近くも違う場合 縫い直して小さくできるものでしょうか？長襦袢も一緒に仕立て直しをお願いしないといけませんよね？

KIMONOBI先生！！！教えてください。

A：いつもご覧いただきありがとうございます。
ご子息のご結婚、おめでとうございます。お一人息子様とのこと。手が離れる嬉しさと寂しさ以上に、新しい家族が増える喜びも文中から伺えて微笑ましく拝読しました。

せっかく婚礼時に用意してもらった着物が、年を重ねて着るには気恥ずかしい気持ちになってきたというお悩みは、多くの皆様もお持ちだと思います。
手放すか、お直しをしてまた着用するか、悩むところだと思います。今回は、ご子息の婚約者様にお譲りになるとのこと。日本が大好き！お着物が好き！！なんて、とても嬉しいことですよね。でも、困ったことにサイズがあまりに違う・・・。ここが　質問者様のお悩みだと思います。

着物というアイテムはすごくよくできているなぁと思うことなのですが、洋服と違い多少のサイズの違いにも対応できます。身幅や身長、手の長さなど、ある程度は融通が利きます。
しかし、例えば身長に対し身丈が短いと、おはしょりが長く作れません。おはしょりが短くなるほど形を整えにくくなり、短い着物を無理に着ているなという姿になります。サイズがあわない洋服を無理に着ているイメージで、不自然に感じるかもしれません。サイズがあっていないと、着崩れの原因にもなります。
対丈（ついたけ）と言うおはしょりを作らない着方もありますが、遊び着という感じでフォーマルな場で着用することはありません。

一般的なサイズ変更のための方法としては、着物の仕立ての時の縫込みで対応する場合が多いです。縫込みが足りなくても、足し布をすることである程度の丈のサイズ変更は可能です。しかし、着物の縫い代の部分は隠れているため、場所によっては色の違いが気になる方も多いです。
普段のお洒落着の場合は、そこまで厳密に気にされなくてもいいかもしれませんが、フォーマルの場合は気を遣うかもしれませんね。