美しい道具たちー西陣織ー

自動引箔装置（じどうひきばくそうち）

今回の美しい道具たちは「自動引箔装置」です。
箔については長く説明してきましたが、箔屋さんから納品されるときはこのようなシート状になっております。使用するまえに前回説明した「箔台」の上に必要分だけ載せてカットし、箔台ごと自動引箔台装置にセットします。

機械が箔一本を器用につまみ、経糸の間に引き入れています。ずっと見ていても飽きません。

この作業でも一番気を付けなければならないことは箔の下準備です。
使う箔のシートを広げて真っすぐにして管理します。使用する２，３日前にはこのシートを6つ切の箔台に置ける大きさにカットしておきます。そして、重りを箔の両端にのせ真っすぐにしておきます。箔がよれていると、裏返ったまま織ってしまう原因となったり、テンポ良く織ることもできません。
また自動引箔装置にはいくつものセンサーがあります。

ホコリやゴミがついていると、センサーの反応が悪くなるので手入れはとても大切です。自動で機械を用いる作業ではありますが、ここでも手作業は大切になっているのです。

そしてこちらは、手織りでの箔を引く様子です。

箔を織前のお絹に対して並行に引き入れ、寄せる程度に優しく打ち込みます。織入れた箔を綺麗に見せるため糸の時、箔の時と打ち込む力加減を微妙に変えているのです。まさに手織りならではの、職人の感覚ですね。

手作業であれ、機械であれ、職人の感覚や手作業は変わりません。