美しい道具たちー手描京友禅ー

⑦挿友禅　さしゆうぜん

手描京友禅の工程の中で、たくさんの色に出会う最も華やかな工程です。

色いろいろな筆と刷毛を駆使して、糊置きで防染された模様のところに色を
挿していきます。
薄い色から濃い色へ、順に進めます。
刷毛の扱い方で、ぼかし模様なども染められます。

絵皿に染料元液や、顔料、胡粉（白色）液を用意して、一色ずつ色合わせしていきます。
別に用意した試し布にその色を刷毛や筆で塗って調べます。
染料液が乾いてからでないと本当の色はわかりません。
染料のにじみを防ぎ、冴えのある美しい色合いを出すため自然乾燥します。

同じ図柄、模様でも、描く色の組み合わせによって仕上がりのイメージが
全く異なります。
挿友禅をする職人の独自の感性と創造性が重要になります。
染匠との長きにわたる信頼関係、やり取りの中から、染匠の感性を感じ汲み取り
確かな色を創り出すのです。
色を扱う、染匠の感性と友禅士の感性が生み出すとても繊細な作業なのです。