美しい道具たちー手描京友禅ー

②ゆのし（下のし）

生地の長さや幅を整えるために蒸気で生地を伸ばす作業です。
ゆのしは、下のし・中のし・上げのしと工程途中に３回行います。
下のしは、生地のシワをしっかり伸ばし生地の縦糸と横糸を真っ直ぐに
整えます。
ゆのしをすることで、生地の風合いを柔軟にし、発色を促し、光沢を与える作用もあります。

手描き京友禅に用いられる生地は、天然繊維の絹織物です。
絹は、湿度による伸縮性が強いので、製作工程で糊置きの後に水で洗うと縮み具合も大きく、ゆのし工程は不可欠です。

高温の蒸気の中、季節問わず毎日、寡黙に作業されています。生地一反およそ13メートルをきっちり仕上げるのは職人の手が覚えているからです。ゆのし上がりの白生地はすっきり整い美しく輝いています。