美しい道具たちー西陣織ー

箔台（はくだい）

西陣織の特徴として先に染めた糸を用いて織物を織りますが、糸だけではなく箔を材料として使うことがあります。その手法を引箔といい、和紙に漆や金銀プラチナなどで模様をつけたシートを細く裁断して 一本ずつ順番に織り込みます。箔を引き入れるという手法なので引箔といいます。
使用している箔の細さは、一本約0.3ｍｍ。それを織り入れて柄にしていくという素晴らしい技法です。
箔の種類には、金や色、漆の一色のものや、柄箔というものもあります。
柄箔とは、色漆やラッカーなどでベースを彩色し、この上に金銀箔で模様をつけたり、着色、加熱、箔などによって模様表現をしたものになります。

柄のついたものは、織り入れる順番を間違えるとその柄になりません。そのため、大変神経を使う作業になります。
箔に描いた模様が帯などの織物に再現されるという引箔は、西陣織の魅力を表現できる面白い手法です。

元々は、1本1本がばらばらにならないように、両端は切断せず、くっついた状態になっています。それを裁断するものが箔台です。

箔がひっくり返ってないか注意しながらセットします。ひっくり返ったままでセットするとそのまま裏返って織り入れてしまいます。また、二本一緒に引き入れてしまわないように歯ブラシ等でとかしたり、ねじったり、パンパンと引っ張ってさばいたりしています。
スイッチを入れてローラーを回して、引っ張ったままの状態で裁断します。
その台をそのまま「自動引箔装置」の上にセットするのです。
「自動引箔装置」は　次回に！