草履のサイズって！？KIMONOBI先生｜その２９　着物のあれこれお教えします。

A:「お洒落は足元から」と言われますよね。洋装でも和装でもせっかく素敵な着こなしをされていても　足元がイマイチだと残念な装いになってしまいます。ご自身は気にされていなくても、案外チェックされています。どんなに素敵な靴でも草履でも、痛いのは悲しいですよね。
最近はインターネットご購入される方も多いですが、試着されるのが一番です。でも、実際店舗へ足を運べない方にも　参考になればいいなと思いアドバイスさせていただきますね。

先ずはサイズです。
和装で一番綺麗な着姿になるのは、カカトが草履台の端から1cmほど出ている姿だとされています。草履台に踵がすっぽり収まってしまうというのはあまり綺麗な着姿ではありません。それにもう一つ理由は、 着物の裾を踏まないためです。特に礼装の場合は着物の裾を地面すれすれになる位に着つけます。踵が草履の内側にある場合、足と台の間から裾を巻き込みやすいのです。裾を踏みつけてせっかくの着付が崩れたり、最悪転んだりするのを防ぐためでもあります。
でも、普段着物を着なれない方は踵の部分が痛くなってしまったり、普段以上に疲れてしまうこともあると思います。ですので初心者さんや草履を履き慣れていない方は、踵丁度のサイズか、踵がほんの少し出るくらいのサイズをお勧めします。

次に草履の種類です。
着物の一般的なルールでは、フォーマルな場所の草履は裂地かエナメルで、色は、金、銀、白、または白っぽいものと決まっています。また、草履台が高く、鼻緒に高級感があることもポイントです。金の草履台に、金彩の鼻緒などは、結婚式や式典など、華やかなフォーマルの場所に向いています。シンプルな白い草履台と鼻緒などは、お茶会など、きちんとした礼装の時にお勧めします。
踵の高さはカジュアル用で３㎝位、フォーマル用で６㎝位が一般的です。参考になさってください。

そして忘れてはいけない一番のポイントは、痛くない！ですよね。
サイズは踵丁度のサイズか、踵がほんの少し出るくらいのサイズとお話しましたが、実は履が大きすぎるとカパカパしてしまい、足に余計な力が入ってしまうのです。そのため鼻緒に足を押しつけすぎてマメができてしまうこともあります。 ご自身の足指の長さや親指と人差し指の間からかかとの長さも採寸していただくと、より具体的なサイズ感がイメージできます。
また、草履が新品だと鼻緒が堅く足になじんでいない為、痛みが出ることもあります。購入後の履く前に少しなじませておくのはマスト！！！です。
また、歩いていると足の甲が痛くなってくる方の理由は、鼻緒の材質も考えられます。
草履の鼻緒には、ボール紙が詰まったものも多くあります。 形は綺麗なのですが、足が弱い方が履くと、歩くにつれ痛くなってくることも多いようです。細めの鼻緒はとてもスマートできれいに見えますが、痛くなりやすいため、少し上級者向けと言ってもよさそうです。
お薦めは、鼻緒の中綿が多く詰まった草履を選ぶこと。試着して選ぶなら、鼻緒を触ってみて柔らかいものにしてください。 インターネット通販で、画面でしか見られな場合は、材質をチェックしたり、太い鼻緒を選ぶといいと思います。
そして指の間にくる「前坪（まえつぼ）」部分の素材もポイントです。ベルベットのような起毛素材がお薦めで、柔らかく、気持ちの良いです。皮製のものだと、固めになりますので、足が敏感な方は痛く感じることが多いようです。 鼻緒をアクセントにして、ひそかなお洒落を楽しむのも素敵ではないでしょうか？

いかがでしょうか？ご自身のサイズにあった素敵な草履を探すのも　楽しいものです。いい出会いがありますように！