お手入れ！？｜KIMONOBI先生｜その5　着物のあれこれお教えします。

着用後のお手入れについて

Q:　着物の着用後のお手入れ方法を教えてください。

姪の結婚式に留袖を着用しました。
親族内をみても適齢期の者がいないので、親族の結婚式に出席するのは最後だと思います。
次に着用するのは娘の時だろうと思いますが、まだまだ先の話です。今回着用した留袖は以前二回着用しましたが　目視では特に汚れは付いていなかったため、2、3日ハンガーにかけ陰干しをして箪笥に片付けていました。
お手入れを全然していなかった為か、今回出してみたら袖や胸のあたりが少し白茶けて見えます。
こんな状態の留袖ですが、出来れば、娘にこの留袖を花嫁道具の一つとして、持してやりたいと思っているので、今回はきちんと手入れしたいと思っています。
お手入れはクリーニング？丸洗い？京洗い？色々あって、どこがどう違うのかわかりません。

最適なお手入れ方法を教えてください！　kimonobi 先生!!

A:ご質問はお留袖のお手入れですね。

着用後のお手入れというのは皆様にとっても私にとっても悩ましい問題ですね。そもそも絹という繊維の性格上、そんなに丸洗いということが必要ないと言われています。ただし、食べこぼし、飲みこぼしなど、外部から付着した汚れは別です。速やかに除去することがのぞましいですね。
しかし、そういったことの心当たりもなく突然現れる不可解なシミや変色にはどう対処すればいいのか、また、いいお洋服は1回から数回着用後クリーニングということが常識のようですが、着物はどうしたらいいのでしょうといったお悩みはよくお聞きします。
着物はよく汗をかく夏物とそれ以外の季節とでお手入れが違います。順番にご説明しますね。

夏物はやはりシーズンの終わりにお手入れに出しましょう。
私は念のため手入れに出さないという実験致しましたが、やはり、後からしみや変色を起こしました。なので、着用後まずは汗を飛ばすために一日干した後は、このシーズンもう着用機会がないということであればなるべく速やかにお手入れにだしたほうが無難でしょう。襦袢も同様にお考えください。

次に単衣。単衣は汗のかき具合で決めましょう。そして、春、秋と年二回の着用機会があるので、両シーズンに着られそうなものは、両方のシーズンが終わってからのお手入れでもいいでしょう。ただ、これも汗のかき具合というところが優先ポイントです。いずれも襦袢も同様に。

寒い季節を含む袷のシーズンの着物はあまり洗いに出しません。シミを付けてしまった都度都度の速やかなお手入れ。これが最重要です。時間のたったシミのお手入れは、汚れを取り去るという処理ではなく、見えなくする染色補正という仕事に代わってきます。これこそ、年数が経ってしまって現れてくる様々なトラブルに対応する仕事になります。
この場合には見積もりによって費用がわかるということになります。大きな面積に及ぶ場合など対処方法による費用の大きさも変わりますし、金額によってその加工をする必要があるかの検討も出てくるでしょう。じっくり取り組み、費用を聞いてからの加工着手という方法を取りましょう。

最後に襦袢の事。襦袢の全体洗いは上記の記述の通りですが、半衿はどうするかというこれまた悩ましい問題があります。
一回ずつ取り換えるというまめな方、(2~3枚の半襟を重ねて付けて、上から順に着用ごとに取っていくという強者もおられました)2~3回使ってから、丸洗いの際に付け替えてもらうなどなど。
そもそも、針仕事が身近な方には何の問題もないことですが、これに遠ざかっていることが問題の出発点。ただ慣れない方には大変なので、テープによる留めつけもありますし、業者の方に丸洗いの際に付け替えてもらうなど。また身近なお裁縫得意な方をＧＥＴ。これも運が良ければなかなか助かりますね。

さてKYOTO TAKAOBASICでは、お客様にご安心してお召しいただくために、これらすべてのお悩みを解決するべく、弊社でお求め頂いたお着物、襦袢についてのアフターケアを承っております。製作者自身が加工先と直結していますので安心してお任せください。