雨の日の着物って！？KIMONOBI先生｜その１2　着物のあれこれお教えします。

Q:雨の日に着物を着るときの注意点を教えてください。

いつもkimonobi先生、楽しく拝見しています。
今回は悩みというよりも注意点をkiminobi先生にお尋ねしたいのです。
主人の得意先の会長様がこの度米寿を迎えられ、お祝いのパーティーが開催されることになりました。その祝宴に夫婦でご招待をいただきました。とてもありがたいのですが、そういったパーティーに出席した経験もなく、クローゼットを見てもピンとくるものはありませんでした。
デパートにも行ってみましたが、高額な洋服をこの先何回着用するかわからないし、流行も変わると思い、何も購入せずに帰ってきました。
実家の母に相談すると「こんな時こそ着物を着ればいいんじゃない！」と素敵なアドバイスをもらいました。
着物で出席したら、上品だし間違いないとほっとしました。

しかし！天気予報をチェックすると、パーティーの日は雨模様になる可能性が90％という結果でした！！！！

今更　洋装に変更は考えていません。会場もホテルですし、到着してしまえば大丈夫なんです。
心配しているのは、ホテルまでの道中です。タクシーで移動しなすが、乗車時やちょっとした時に全く雨にかからないとはいえないと思うのです。

kimonobi先生！雨に濡れ無いような仕草や、濡れても大丈夫な方法、また着用後のお手入れについてアドバイスお願いします！

A:ご質問ありがとうございます。雨問題は本当に悩ましいですね。
雨対策で最も重要なポイントはコートをどうするかです。
コートは最近とても注目されているアイテムです。コート用の反物というより、着物用に織られた良いものを楽しんでお作りになられる方が増えています。

そういった流行と、雨対策とはまた違う問題なのですが、まずはワードローブをチェックして、裾まで隠れる丈のコートをお持ちかどうかをチェックしてみてください。
お持ちならばそれで大丈夫ですし、なければネットでもいいので、安い雨コートを一枚用意致しましょう。防水加工の技術が進んだ昨今ですので、安い物でも充分に機能は果たすと思われます。

雨コートは便利なアイテムです。時間にゆとりがあればその後ご自身のお好みで綺麗な色のものや、気に入った生地で一着お持ちになると、とても楽しいと思います。長さを裾までで作るだけなので、普通のコートとしてもお使いいただけます。

お悩みのアドバイスとして、雨コートの用意をするという答えなのですが、もう一点追加のアドバイスをさせていただきます。
着物を着終わったら、着物を裾からがばっと持ち上げて、帯の上のところにクリップで止めます。裾をからげるという言い方を京都では致します。

この上にコートを着てしまえば、外から見て、からげている状態は見えなくなりますし、タクシーに乗り込むときに仮に、コートの裾が開いてしまっても、その下の着物が汚れてしまう心配はありません。せっかく雨コートを着用したのに、裾が染みになってしまうのは避けたいですものね。

動作で言えばタクシーに乗り込む際に、おしりから座るように乗り込むとエレガントです。
くれぐれもコートを脱ぐ前にコート中で先に裾を降ろしてくださいね！
あるいは、会場に着かれたら、お手洗いあるいはホテルには試着室もありますのでコートの下のからげた裾を元に戻し、何事のなかったかのように会場へ！
では雨の日でも　楽しんでくださいね。