美しい道具たちー手描京友禅ー

④下絵羽 　（仮絵羽仕立て）

着物の寸法が墨打ちによって印付けられた生地を、印をもとに裁断します。
きものの袖・身頃・衽・衿に裁断された生地を、寸法通りに仮縫いします。
わざわざ着物の形にするのは、下絵を描き、染め上がりの時に縫い目で
柄がずれないようにするためです。

下絵羽の次の工程で、下絵を描いて、糊置きの工程へと続きますので、
八掛や袖は折りかえしません。
白生地を裁断し、縫い合わすという地味な作業に思いますが、
この寸法がきちんとしてないと、着物の出来上がりに柄があわなくなったり、
寸法が足りなくなったりするのでとても重要な工程です。

毎回、生地にハサミを入れる緊張感は半端ではありません。13メートルの長い生地が、きものの形になる始まりの一歩です。