日本の文様 <菊>
今回は、きものの制作工程ではなく、きものの文様について、京友禅の染め司として、様々な書籍や資料を探して見続ける経験からの独学ですが、徒然なる思いをお伝えしたいと思います。
京友禅のきものほど、様々な文様を多彩に美しく表した衣装はありません。美しい自然や豊かな四季を感じる美意識によって、森羅万象あらゆるものを文様として使ってきました。その中でも身近な植物の文様<菊>についてお話しします。
<菊>は、中国では仙花と言われ、長寿の瑞草で、日本には奈良時代から平安時代にかけて渡来しました。日精とも呼ばれ、太陽の精気を含んだ花で百草の王。9月の重陽の節句には菊を賞で菊酒を飲んで延年長寿の祝福としています。古典的な吉祥文様として季節を問わず多用されています。
同じ菊の文様であっても、歴史の流れ、時代背景によって変化していくことがとても興味深いです。時代に沿って変化の流れをみていこうと思います。
*平安時代* 貴族の時代です。季節の草花を愛でる趣好の王朝の優雅な宮廷生活から、優美な意匠や左右対称のみやびな形姿の菊がみられます。
*鎌倉・室町時代* 武士の時代。戦乱の世、強さや豪華さを感じる文様がでてきます。また、狩野派や長谷川派などが活躍し、文様の形から写実化へと移っていきます。工芸品の蒔絵に見られる籠菊の意匠は、鎌倉時代の代表的な工芸意匠です。
*桃山時代* 豪華で豊か、豪放な気分に満ちた、はでやかな時代です。桃山染織の代表ともいえる小袖には刺繡と摺箔で多彩な菊が表現されています。
*江戸時代* 町人の時代。士農工商の社会制度により、泰平の世となります。王朝時代とは違う都市文化をつくりだしたのは、町人たちの力です。庶民的な優しい感覚が、意匠に表現されていると思います。琳派を代表する尾形光琳の描いた菊は、ぽってりとした丸い形姿から、饅頭菊(万寿菊)とも呼ばれています。
今回は、<菊>の文様に特化しましたが、いろいろな<文様>から、その描かれた時代を感じられるのです。
同じ文様であっても、各々の時代背景によって、形・表現方法などが変っています。昔の着物に描かれた文様をみるとどの時代につくられたかと考えるのも面白いのです。その時代の感性に伴って変化している部分を感じ、先人達から受け継がれているものを感じ、今のきもの創作にどういかすか。染匠をしていて、感性を問われるところです。お召しになる方の気持ちに寄り添って、品よく美しいきものになる意匠をこれからも考え続けていきます。
ご購入の流れ
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Step2. ご来店・採寸
店舗にて、採寸をさせていただきます。
最適な寸法を割り出し、 寸法表を作成・提示いたします。
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Step3. 製作・お仕立て
寸法表をご確認・ご了承いただき、 ご入金確認後、製作に取り掛かります。
進行工程も随時お知らせいたしますので、ご安心ください。 -
Step4. 発送
オリジナルのソフトケースに入れて発送いたします。
ご入金から発送(納品)までの期間として 約3ヶ月いただいております。
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