留袖の着こなしって！？KIMONOBI先生｜その１5　着物のあれこれお教えします。

Q;仲人の着物について

主人が会社の部下に頼まれて、仲人を務める事になりました。
その部下の方は、主人の大学の後輩にも当たり学生時代から主人のことを大変信頼してくれていました。そんな縁もあったのか、なかったのか、なんと主人の勤めている会社に入社することになり、現在は主人の直属の部下という関係です。
お相手の方もすごく感じのいい方で、私達も大変うれしく思い喜んでお引き受けしました。

しかし、後日そのお相手のプロフィールを拝見して驚きました。
お相手のお父様が、主人の勤める会社の大株主だったのです！
驚いて後輩の部下の方に尋ねると、その部下の方も会社の大得意先の社長のご子息ということが発覚しました。
長い付き合いで何故気が付かなかったのか主人を問いただしましたが「学生時代は家柄なんて気にしてなかったから仕方がない！」と言い張ります。
あわてて適任の方がほかにもおられるからと辞退したのですが、どうしてもと押し切られてしまいました。
両家の御両親にも来賓の方々にも気を遣う式になると思うと、今から胃がキリキリ痛いです。
お式は教会でと言われています。神前式ではないので迷いましたが、留袖でいいでしょうか？両家の御母様は、留袖を着られるそうです。式場の方は、仲人の場合ドレスの人も多いと言っていました。
無事に大役を務められるように、kimonobi先生！！！！
助けてください！

A: ま～気の張る仲人さんですね。お察し致します。
ご両家のお母さまがお留袖なら、お留袖をお召しになるのが一番よいと思います。全体のつり合いも取れますし、何より、お立場の重みが変わってきます。
この機会にめった着ることのないお留袖ですから、お袖を通してみてください。

留袖は普通の着物と違い重さがあります。
お着物をご着用になる際の注意点も書いておきますのでご参考になさってください。

そもそも留袖は二枚来ていた時代の名残で比翼仕立てという、まるで二枚来ているように見せる特別なお仕立てを致します。このため裏の生地の量が多くどっしりしています。
なので、まず気つける際には、腰ひもを普段以上にしっかりと、そして、多少短めにお着付けしてください。でないと着崩れの原因になり、大変なことになってしまいます。

そしておススメポイント！！！

当日は着付け用のものがあればそれを、出なければ、洗濯ばさみでもクリップでも構いません。二つくらい持って出かけましょう。
おトイレに行く際に重宝します。使い方は、 着物 、襦袢、 肌襦袢 と順番にタケノコの皮をむくように裾を持ち上げます。その際持参したクリップでそれらの裾をもって帯に留めてしまいます。
そうすると、着物の汚れを気にすることなく安心しておトイレも済ますことが出来ます。また、もしもの雨の場合も同じようにすると着物を汚す心配がなくなります。これは、kimonobi先生 No.12「雨の日の着物って！」にも詳しく書いてありますのでチェックしてくださいね。

ちょっとしたことですが、案外実際にお着物でお過しになる際にお役に立つのではと思います。
気が張るお式ではありますが、せっかくの経験、楽しんでくださいね。